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03_コメトテ ライスジェラート × よしだファーム(宮津市)

  • 5月10日
  • 読了時間: 7分

更新日:5月11日






FOCUS


丹後の生産者をご紹介




宮津市

03_コメトテ ライスジェラート × よしだファーム




土を実験し、素材を編む。



よしだファームのお米 × コメトテの編集力。

京都府立丹後郷土資料館(ふるさとミュージアム丹後)の出会いから始まった、

米作りとライスジェラートの物語 。


ソメイヨシノがちょうど満開となった日、

土の中の微生物と対話するよしだファーム・吉田さんの「実験」と 、20年の料理人経験を活かし食材を「編集」されるコメトテ ・橋田さんの手しごとについて

取材させていただきました。


(左から)コメトテ 橋田さんと、よしだファーム 吉田さん。
(左から)コメトテ 橋田さんと、よしだファーム 吉田さん。



歴史が息づく「府中」から、未来の味を。



取材に訪れたのは、宮津市の府中地区。

日本三景天橋立の付け根に位置し、

かつて丹後国の国府が置かれていた

歴史と文化が深く根を張るその地域がお二人の活動拠点です。


宮津市府中の様子。左には改装中の「ふるさとミュージアム丹後」があります。
宮津市府中の様子。左には改装中の「ふるさとミュージアム丹後」があります。

お二人が顔を合わせるようになったのは、吉田さんの田畑のほど近くにある

「ふるさとミュージアム丹後」のリニューアルがきっかけでした。


ミュージアムは現在工事を行っており

令和9年3月下旬(予定)にリニューアル予定。

丹後の歴史・文化を発信し、交流を育む「ハブ・ミュージアム」の拠点として、

地産食材を楽しめるカフェを併設する計画が進んでいます。


「館内のカフェでは、せっかくならこの土地ならではの特別なものを提供したい」 というこの土地の魅力を深く知る吉田さんが発起人となり、同じ府中という場で活躍される生産者さんとつながる中で、コメトテの橋田さんとの縁も生まれました。





地元にある「当たり前」の価値を形に。



橋田さんが「コメトテ」を立ち上げる原点となったのは、

「地元・丹後で自分に何ができるか?」という問いかけから。

昔からこの土地で「特Aランク」のお米を当たり前のように食べて育ってきた橋田さん。

コロナ禍を経て世の中が「食の大切さ」を見つめ直す中、植物性の素材を中心とした料理への関心の高まりを感じ、「地元のお米を使って、植物性の新しいスイーツを作ろう」と思い立ったのがライスジェラート誕生の第一歩だったそう 。


コメトテがよしだファームの無農薬コシヒカリを使用されているのは昨年から。

一目見た瞬間に心を掴まれたのは、その米粒の美しさ。

お米の艶や噛み締めるほどに広がる力強いうまみは

料理人として素材にこだわる橋田さんにとって最大の決め手となったそう。

「とにかく、お米がきれいだったんです。」

お二人の歩みを引き寄せ、協業が実現されました。



山に近い「よしだファーム」の最上流にある三枚の田んぼが

コメトテ専用として吉田さんが設けた場所です。

すべて無農薬で育てていますが、より清らかな水を求めて選ばれた、特別な区画。

「きれいなお米だったから」という橋田さんの直感に、

吉田さんが「一番いい場所」を差し出し応えることに

互いへの敬意と信頼を感じることができました。






吉田さん:土は、生命が巡る実験室



“土の中の「菌」と対話”し、作物の本質を探る。


府中地区でお米と野菜を育てられる吉田さんの土づくりは、常に実験と研究の連続 。

「最初から決めつけない。失敗してみないとわからない」と語るその視線は、

土の中の目に見えない世界に向けられていました 。

現在のこだわられている実践内容をいくつかご紹介。



1.生命を肥料に変える、「緑肥」の力


現在吉田さんの土づくりでこだわられているのが「緑肥(りょくひ)」。

田畑のまわりに自生しているツル科の植物のヘアリーベッチ(ナヨクサフジ)は、

緑肥として土壌にすき込んだ際に有機酸を生成し、土壌環境や後作物の生育を促すそう。

吉田さんが緑肥にこだわる一番の理由は、

自らが育てたお米の「おいしさ」を誰よりも実感しているからだそうです。




2.微生物が躍動する、生きた土


土の中に米糠(こめぬか)を加え、土壌に乳酸菌や酵母菌といった様々な菌が活動しやすい環境を整えることで、腐食が進み、そこをめがけてミミズが集まる。ミミズが通ることで、土も柔らかく耕される。このようにまだ未分解の有機物を残しながら、発酵が多く進んでいる段階で堆肥の中には様々な微生物(糸状菌、放線菌、細菌など)が多く混在する状態を中熟堆肥といい、吉田さんは現在この農法を用いて栽培を行われています。




さまざまな試行錯誤を紹介していただくなかで

一番印象的だったのは、「とにかくチャレンジしてみる」こと。

多くの農法を学んで、それを毎年いくつか「実験」してみる。

実験してみてよかったら、さらにかけ合わせてみる。

実験する分、失敗も多いけれど、「失敗してみないとわからない」から続ける。

最初から決めつけず、常に実験、研究していく。



「作物が本来持つ性質を無視するのは失礼」という吉田さんの手しごとは、

まさに自然の理(ことわり)を科学し、

作物の生命力を最大限に引き出しているようでした。






橋田さん:素材を「編集」し、プロダクトへ昇華させる



20年の経験が導き出した、地産地消の最適解


料理人は、素材をどう活かすかを極め、素材を編むスキルはもとより、

科学や知性、センスが求められるといいます。

料理人としての橋田さんの編集力が最も発揮されているのが、

ジェラートのベースとなるライスミルク 。

海外の美味しいライスミルクに刺激を受け、自ら試行錯誤をスタート 。

お米の種類による粘り気の違いに苦心しながら、納得のいく味へと近づけていきました 。

長年の経験を経て最後に辿り着いたのは

「その土地の素材同士を組み合わせるのが、最も完成度が高い」ということ。

ミニマムな地産地消の考えが

丹後の素材を用いる現在のプロダクトへとつながりました。




吉田さんが「実験」の結果生み出した、深みとうまみの強いお米 。

そこに橋田さんが厳選した丹後の豊かな旬の素材を掛け合わせることで、

唯一無二のプロダクトへと編み直しています 。


さらに、植物性に注目して商品開発を進めるうちに、

当初は想定していなかったヴィーガンやベジタリアンの方々の

ニーズに合った商品として、認知が広がっているそう。


橋田さんが丹後のテロワールを追求し続けた結果、

そこに新たな価値観を広げることができたその根底には、

料理人としての確かな編集力が息づいています。





生産者の吉田さんが土壌や作物の本質を見極める「実験」を繰り返し、

その素材を料理人というフィルターを通して橋田さんがプロダクトへと「編集」する。

お米とライスジェラートという

お二人のセッションから生まれるジェラートは、

まさに丹後の風土を科学した、知的で奥行きのある一皿です。


私たちはその真摯な思いを受け取り、店での販売を通じて、

このクリエイティブな循環に参加していきたいと思います。


改装中の「ふるさとミュージアム丹後」を見つめるお二人
改装中の「ふるさとミュージアム丹後」を見つめるお二人









編集後記:

丹後のお米に新しい価値観を与えることができたのは

素材をどう「引き算」し、どう活かすかを知り尽くした

コメトテ・橋田さんの料理人としてのキャリアがあったからこそだと感じる取材でした。

“地元の素材を組み合わせるのが、一番うまい”という

言葉通り、丹後の個性が溶け込んだライスジェラートは、

どこかやさしく、深い味わいを感じます。


今後橋田さんは丹後のお米を発信するための手段として、

ライスミルク自体をプロダクト化し、展開していく考えもあるとか。

さらなるご活躍も楽しみです。




取材日:2026年4月2日

取材先:京都府宮津市府中地区(コメトテライスジェラート・よしだファーム)


Information:


コメトテ ライスジェラート

京都府宮津市小松242−1




よしだファーム株式会社

京都府宮津市字国分843




 
 

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Yosa-gun, Kyoto-fu 626-0423

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